メイン

2007年01月01日

ハンダの量を減らしましょう!

不幸にもハンダ玉を作ってしまった。そんなとき、どうしますか?

1. あきらめてそのまま放置する
2. キサゲ刷毛のみでがんばって取り除く
3. キサゲ、キサゲ刷毛などを利用して取り除く
4. 半田ごてでハンダをのばして、ペーパー、キサゲ刷毛などで取り除く
5. ハンダ吸い取り線を使う

1番は問題外として、2, 3 のすぐにキサゲを行う方は私を含めて初心者に多いと思います。確かにハンダを取り除くことはできるのですが、特にキサゲ刷毛のみですと時間がかかる上に、車体に細かな傷を多くつける結果になります。表面はきれいに見えていても塗装すると(特につやありの場合)、細かな傷が非常に目立つこともありますので、極力傷は避けたいところです。

ハンダ玉を作ってしまった時は、せっかく付けた部品が取れてしまったことを恐れず、ぜひハンダをこて先で融かして他の部分に薄くのばして、水ペーパーやキサゲ刷毛などで除去してみてください。表面に残る傷は圧倒的に少ないはずです。熱によって真鍮とハンダが合金化している場合もありますので、のばしたハンダはすべて(銀色の部分)取り除かなくても、表面が平に仕上がっていれば問題ありません。塗装は素材の色の違いを隠してくれます。

5番のハンダ吸い取り線を使う方法はあまり一般的ではないですが、大量にハンダが残ってしまった場合には有効です。


ハンダ玉を防ぐには以前に書きましたが、こて先の温度管理をしっかりすることでできます。
こて先の温度をしっかり管理するには温度調節機は必須です。私の使用しているものは、ステンドグラス用品の通販店で購入した写真の物です。日本では模型店、秋葉原電気街、日曜大工店などで購入できると思います。
私の場合、通常100Wの半田ごてですと、目盛り 55 から 60 のあたり、つまりコテの最大出力の6割くらいで使用しています。ただし、アメリカの電源は 110V 定格ですので日本でしたらもう少し多め 65% くらいの出力かなと思います。もっともこの調節器の目盛りがどこまで正確かわかりませんが、お持ちの温度調節機の出力位置をいじってみて、一番扱いやすい温度を見つけてみてください。


温度調節と同時に大切なことは、ハンダをつけすぎないことです。ハンダが少なければキサゲの必要性も減ります。

ハンダを少なくつける方法ですが、糸ハンダを直接半田ごてに当てるのは問題外、一番簡単なのはあらかじめカッターでハンダを小さく切っておいて、必要な分量だけこて先にのせる方法です。ハンダをいつも付けすぎて困っている方は効果的ですのでぜひ試してみてください。

面倒くさがりの私は、ハンダを小さく切るのが面倒なので、真鍮の端切れにハンダをあらかじめのせておいて、適量を毎回こて先にのせて使っています。こて先にハンダをのせすぎたら板にこすりつけたり、机等のかどに軽く半田ごてを叩き付けて、ハンダを落としています。慣れれば、あらかじめハンダを小さく切っておくより手間がいりませんので、ぜひ試してみてください。

写真は私が使用している真鍮端切れです。場所によって、ハンダの種類が違います。


さらにもう少しハンダ付けに関して書いてみるつもりです。と言うことで、またまた続きます

2006年12月26日

フラックスについて

ハンダをきれいに流すためには触媒となるフラックスが必要です。フラックスはハンダの流れ(濡れ性と言うそうです)を良くするとともに、ハンダの性質を悪くするハンダ自体の酸化を防ぐとともにハンダ付け対象物の酸化物を除去してくれます。

フラックスは主に酸性の塩化亜鉛をベースに界面活性剤などが含まれているそうです。鉛なしやステンレスハンダは流れが悪いので、さらに強い酸を必要とするそうです。一般の鉛入りハンダ(60/40)にステンレス用フラックスは十分強すぎますので薄めて使っても良いでしょう。残念ながら私自身はステンレス用フラックスを使ったことがありませんので薄め具合は他のサイトで見つけるか、ご自分でお試しになって見つけてください。何事も体を使って自分で覚えるのが一番かと...

フラックスですが、模型工作を再開した頃は写真中央いさみやの物を使っていました。名前の通り、きれいにハンダが流れます。写真右は銀ベースのハンダ用フラックス。これはより強い酸性です。写真左はフラックスではなく、電子工作のハンダ付けに使うロジン、いわゆるヤニです。

今現在工作で使用しているフラックスは、工業用のフラックスをハンダを購入したのと同じ問屋(と言うよりハンダメーカー)から購入しました。3.5リットル強入って 3000円程度だったと思います。2年かかってほとんど減ってないですので一生使えそうな気もしますが、工業としては有効期限をすでに切っています。問題なく使えていますが、さて劣化する物なのでしょうか?

大きなボトルに入ったままでは使いにくいので、いさみやのフラックスの空き瓶に小分けにして使っています。
ハンダ付けの際には対象物にチャイナタウンで恐ろしく安く売っている竹串を使って塗布しています。割り箸や使わなくなった筆などを使用してもいいでしょう。

フラックスは先にも説明したようにハンダの流れを良くするとともに酸化物を取り除きます。したがって場合によっては、ハンダを流す面だけではなくその裏面にも塗布した方がよりより結果がもたらされます。たとえば、車体に妻板を固定する場合など、ハンダを流す側だけでなく、その裏側にもフラックスを軽く流しておくと、裏側にもハンダが流れてスキがなくなります。継ぎ目がより少ないハンダで目立たなくなりますので、お試しを!

フラックスは非常に強い酸性ですので、ハンダ付け後はなるべく速く洗い流しましょう。工具に付着した際は、すぐに拭き取って切削油などを軽く塗ってあげます。またハンダ付け後、半田ごてのコテ先もスポンジや濡れタオルでフラックスを拭き取って酸化による腐食を少しでもおさえるようにしましょう。

私の工作は地下室にあり、幸い近場に流しがありますので、ハンダ付け後すぐに洗浄ができます。使い古しの歯ブラシとクレンザー、場合によっては中性洗剤併用でごしごしやりハンダ付けが十分な強度を持っているか確認するとともにフラックスを洗い流しています。

と言うことで、ハンダ付け、まだまだ続きます。

2006年12月21日

半田ごて

ハンダ付けの道具に話を移します。

まずは半田ごてがなくては始まりません。半田ごてなんてどれも一緒だと思ったら大間違い。もっとも大切なのは半田ごてよりもこて先ですが。(写真はクリックすると大きくなります。)

私の使用している半田ごてを紹介します。まずは金属工作用。

手前ふたつはおなじ物です。こて先を変える手間を省くため2本おなじ物を持っています。石崎電機製作所のブランド Sure の SB-100 です。カツミ模型がこの半田ごてに、こて先2種類をセットにしてカツミブランドで販売しています。平型のヒーターですので熱効率は抜群です。おすすめの一品。

真ん中は、白光の 100W 丸型ヒーター の 790P、その奥が同じく白光の 60W 丸型ヒーターの 760P です。丸型ヒーターは熱効率が若干劣りますが、こて先を丸棒から加工しやすいので蒸気機関車のボイラー周りなどを工作する際に細長のこて先を自作して使っています。60W はほとんど使用していません。なお、丸型ヒーターのものでもセラミックヒータータイプは非常に熱効率が高いです。

一番奥は、ここのところ全く使用せず、もっぱらコレクションと化してしまったアカエの100Wです。エコーモデルの L型こて先はこの半田ごて用に作られていますが、残念ながらメーカーのアカエ自体は廃業しています。交換ヒーターは秋葉原を探せば売っているようです。

続いて、鉄道模型にはあまり関係ありませんが、電子工作用の半田ごて。
手前はラジオシャックで購入した 30W のもの。こて先が安っぽくて使いづらいです。奥は、イギリス、アンテックスの14W です。これは素晴らしいコテです。ナノLED などの極小LEDを使用した作業には欠かせません。

こて先の選択は半田ごて本体よりも工作にとって大切です。温度の説明をしましたが、ハンダ付けする対象物にしっかりとこて先が当たっていないと、対象物の温度が上がらずハンダが玉になってしまいます。基本的に表面積の大きいほうが熱を伝えやすいですが、対象物の形にもよりますので一概にこれとは言い切れません。いくつかのこて先を使い分けるのがベストです。

左手前ふたつは、カツミブランドで発売されている Sure SB-100 に付属してくる物です。純度の高い銅が使われていますので効率はいいのですが、腐食もその分速いです。その奥は石崎電機製作所から発売されている SB-100 純正交換部品の角型こて先です(以下に詳しく説明します)。

その奥は、アカエの100Wに付属して来た物です。この手のペンシル型のこて先は、鉄道模型工作には不向きだと思っていますので、使用していません。

右手前3個は自作したこて先、その奥は平型こて先を自作する途中の物です。

一番奥ふたつは、エコーモデルの L 型こて先。アングルの取り付け等に威力を発揮します。が、私自身は最近は使っていません。

私個人の半田ごて、こて先のおすすめは先にも書きましたように、石崎電機製作所の Sure SB-100 です。温度調節機を使えば、100Wでも細かい作業もけっこうできますので、これ1本でほとんどの作業をこなしています。鉄道模型を再開したときにカツミブランドの物を購入しました。

およそ4年前のことですがヒーターが切れてしまったときに石崎電機製作所にどこで購入できるか問い合わせたところ、直接販売してくれるとのことで合わせて角型こて先をいくつか購入しました。写真手前のものが石崎電機から直接購入したもの(当時300円)、真ん中がカツミブランドで模型店でも売られているもの(確か1200円)です。形状を見る限り、カツミの物は石崎電機の物を削っただけのものと思っていたのですが、どうやら素材が少し違うようです。

石崎電機の物をグラインダーで先を削ったのが写真奥のものです。実はこれが今一番使用しているこて先でして、カツミの物はすぐ腐食するののたいして、これはほとんど腐食しません。銅色がカツミのものに比べ若干薄いので何か混ざっていると思うのですが、熱効率が悪いわけでもなく、おすすめです。先にも書きましたように、石崎電機から直接購入しました。当初発送してもらうつもりだったのですが、知人が近所に住んでいたためわざわざ持って来てくれました。今は直売してくれるかどうかわかりませんが、下町のいい感じの会社だな〜と思いました。

こて先に関してはまた後日、私の自作、加工方法を紹介したいと思います。
またまた続く...

2006年12月20日

ハンダの種類

大方の方はおわかりのようにハンダには成分や形状など、いろいろな種類があります。

鉄道模型工作には一般にスズ60%、鉛40% (60/40 のハンダと呼びます)のヤニ無しハンダが使われています。ハンダの主な成分はスズと鉛ですが、その混合率で融点が変わります。一般的に使われる60/40の場合、約183度で融け、50/50ですと、190度以上、物によっては 200度以上の温度が必要になります。

その他に低温ハンダと呼ばれる特殊ハンダも模型工作で使用されます。模型店で入手できるものの融点はおよそ95度から100度程度になっています。ホワイトメタルのハンダ付けや、他の部分に熱をこれ以上加えられない場合等に使用しますが、接合強度は若干劣ります。

最近では環境に配慮した鉛の入っていないハンダもありますが、より高温度で融ける性質ですので、模型工作にはあまり向いていません。鉛は毒性が非常に強いものですので、取り扱いに注意を要しますが、それを差し引いても 60/40 のハンダを使用することをお勧めします。

写真は、ハンダを適当な太さに整形した糸ハンダと呼ばれる物です。
一番手前は低温ハンダ。めったに使いませんので、鉄道模型店でひとつ買っておけば十分でしょう。
その奥は、0.5mm 径の極細糸ハンダでエコーモデルで購入できます。極少量のハンダを使用したいときなどに便利ですが、ハンダの形状に関係なく少量のハンダをこて先に移す方法がいくつかありますので、私は使用したことがありません。
写真右奥は、銀ベースの鉛無しハンダです。元々、宝石製品などの加工用で試しに購入してみましたが眼鏡の修理に使ったきりで模型では使用したことがありません。
その左ふたつは普段主に使っているハンダです。特に 60/40 のものはたくさん使用しますので、ハンダ卸問屋から購入しました。ステンドグラス工作用として売られているもので、日本の模型店で販売されている物よりもかなり安く購入することができます。参考までに、私が日本で見つけたステンドグラス用品を購入できるお店です。

続いて、棒ハンダ。これはほぼ工業用ですね。サンプルに購入しましたが、糸ハンダが大量にあるので使用していません。手前が秋葉原で購入した 50/50 (融点が非常に高いです)、奥が写真上の 60/40 と全く成分がおなじものです。

こちらは糸ハンダですが、ロジンが混入してある一般にヤニ入りハンダと呼ばれるものです。電子工作のハンダ付け時にフラックス代わりのロジンが混入してありますので、フラックスは特に必要なくハンダ付けで来ます。成分は、60/40 となっていて、融点もおよそ 183度だと思いますが、ハンダ付け後ヤニが残り、その除去に手間がかかる上、少しでも残ると塗装に悪影響を及ぼしますので、鉄道模型工作には向いていません。模型工作には、ヤニ無しを使用してください。

最後は特殊ハンダ。
写真奥は、いさみやから発売されている液体ハンダです。ハンダの粉末とフラックスがペースト状に混入されていて、小型バーナーや半田ごてで熱を加えて使用する物です。あると便利なこともありますが、まあおおよそ普通のハンダでなんでも出来てしまいますので、特に必要と言う物でもありません。

写真左手前は、鉛無し板金工作用のもので融点が非常に高い物です。家の水道管の溶接などに使用するもので、模型向きではありません。一応ハンダと言うことでの紹介。

最後に右手前はハンダではなく、純度100%の鉛です。模型のプロの方に鉛をバーナーで融かして使うなんて事を教わりまして、真鍮の端切れで試してみましたところ、いい結果をえましたので紹介してみました。いずれ真鍮ブロックの固定に使ってみたいと思っています。

長々となりましたが、模型工作に使用する物としては、60/40 の糸ハンダをお勧めします。
と言うことで、まだまだハンダの話は続きます...

2006年12月19日

こての温度

ハンダ付けに関して質問を受けることが多いので、気がついたことをまとめていきます。なお、写真はクリックすると大きくなります。

こて先の温度管理はきれいにハンダ付けを行うためにかかせません。温度が高すぎても低すぎても弊害があります。高い温度でも時間をかけずにハンダできれば問題ありませんが、適温にこしたことはありません。

例として、真鍮板に雨どいを見立てた線材をハンダ付けしてみました。

写真左は、初心者に多い温度が低すぎてハンダが玉になってしまった例です。うまくハンダが乗らないから、さらにハンダを盛ってどんどん玉が多くなり、キサゲで苦労することになります。半田ごての温度が高くてもハンダ付けの対象物にうまく当たってないと、結果的に温度が低いと言うことになります。私もついついせっかちでコテが十分暖まる前に付けてこんなことになることがありますが、そう言う時は慌てずこて先が暖まるのを待って、ハンダの玉をのばしてあげます。決してこれ以上ハンダを盛ってはいけません。

写真は中は、少しハンダが多めでしたが、うまくハンダがのびた例です。ハンダ付け後、少し黒光りしてるくらいの色をしていれば適温でハンダ付けが完了したサインです。

写真右は、温度が高すぎてフラックスが反応を起こして白い粉がふいたような状態になっています。真鍮ブロックや大きなロストワックスパーツを付けるときにこうなる傾向が高いですが、フラックスが本来の役目をなさなくなりますので、注意が必要です。

温度管理に関しては、ハンダの種類を紹介してから、もう一度説明させていただきます。と言うことで、つづく...